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2009年ニューヨーク日記  当時書いていたBlog"sing a song"より転載 写真は省略

◆ニューヨーク到着

神戸からニューヨークへ。 
一番心配していた部屋もすぐにみつけることができてルームメイトもとっても良い人にめぐまれました
2日目はまず買出しです。色鮮やかなお花屋さんやかわいい音楽にあわせて街をまわるアイスクリーム屋さん、
バスケをしている少年や公園ではしゃぎまわる元気なかわいい子供達。そんな街を散策しながらほのぼののんびりしました
夜はVillageVanguardにBrad Mehldau Trioを聴きにいきます
ライブの始まる時間が日本にくらべて遅いので時差ボケで寝てしまわないように今からちょっとお昼寝します。

◆なみだ

HarlemにGospelのworkshopに行ってきました。メロディを先生のあとについて歌い覚えます
ソプラノ、アルト、テナーの3声で譜面などなくて耳だけでハーモニーをつくっていきます
歌っていると体が自然に動いて自然に笑っていて
今日初めて会ったメンバーがもう家族のようなあたたかさにつつまれていてすごく幸せな気分になりました
そしてその日の夜、その教会のコンサートに参加しました
教会のクワイヤーの歌を聴いて涙がとまらなくなりました。みんな神様に自分の気持ちを必死に届けていました
心から歌を愛して神様を愛して人を愛しているのだなあと感じました
ワークショップ参加者もコンサートに参加することになり「All around」「Unit」「[Clap your hands」の3曲を歌いました
教会にいるみんなが歌って踊って感じて、本当に心が震えました。ただ神様への想いで美しい声が美しい心を映し出していました。

◆幸運

Jazz StandardにBranford Marsalis Quartetを聴きにいきました。Village VanguardのBrad Mehldau trioに続いて信じられないほど楽しいライブでした
Village Vanguardでのトリオ演奏は音楽の扉がぱぁんとあいている感じで
メンバー3人の音が楽しく絡み合っていて今までに感じたことのないエネルギーでした
そしてBranford Marsalis Quartet、私はこのメンバー全員ライブでみるのが始めてでした。強力です
Justin Falknerというドラマーも知らなくてJeff Watsがよかったなあと内心思っていたのですがそんな気持ちは音がなった瞬間にとびさりました
むちゃくちゃかっこよかったです。渡米前からこのQuartetを楽しみにしていたのですが本当に渡米期間中にライブがあったことを幸運に思うばかりです。

◆美術館

メトロポリタン美術館にいってきました
たくさん興味深いフロアーがありましたが、やっぱりまっさきに2階にかけあがってヨーロッパ絵画をみにいきました
大好きな人の絵がたくさんあるのでドキドキです。PissaroやMatisse,Goyaなどの作品はみたことがなかったので歩き方がスキップになりそうでした
Odilon Redonの花がきれいな色だったしPierre Bonnardは虹色の目をしているんじゃないかな
美術館は迷路みたいで何回もおなじところをくるくるまわってしまうけど何回も好きな絵がみれます。
そして、アフリカやローマ、ギリシャ、、、などなどゆっくりじっくりじっくり、、、というか迷いながら楽しみました。

◆祈り

StPaul'sChapellにいってきました。マンハッタン最古の教会ということで楽しみにむかったのですが私は教会の中に入ってはじめて気づきました
この教会は道路をはさんで真向かいに世界貿易センターがあったのです
この教会は救援活動の場としてもたくさんの人々を支えたようです。教会の中はその当時の悲しみと同時に未来への希望がつまっていました
あれから、いろんな議論があって、戦争もあってもちろん今も悲しみを抱えた人がいて
以前「グランドゼロ」に訪れたときもいいようにない悲しみだけが心に重く残って
私は正直にいうと、何を思っても軽々しいような気がして目をそむけていました
ここに向かう途中「世界中の困っている人達の助けになりたい」といろんな国をまわっている人に偶然知り合いました
いろいろな話をきかせてもらいいろいろな国の現状をつきつけられたところでした。
そんなこともあってこの教会に訪れてたくさんのことを思わずにはいられませんでした。何をするでもなく教会の中でしばらく動けずにいました。

◆宝物

SmallsにJimmy Green Groupを聴きに行ってきました。ドラムにGreg Hutchinsonです。大好きなドラマーです
Jimmy Greenの曲はすごくかっこよくてバンドとしても最高でした。ピアノのXavier Davisもかっこよくて美しいです。一瞬でとりこになりました
終わってからFatCatのセッションにいきました。私はお店に入った瞬間すごくうきうきしました
お店のテーブルは全部チェスができるようになっていてお店の中は卓球やビリヤード、あとへんてこなサッカーゲームがあるのです
そんな風にみんなが楽しんで遊んでる中にセッションの音楽が流れているという感じです
私は特にへんてこなサッカーゲームがおもしろくてずっとみてたら、遊んでいた人が一緒にやらせてくれました
私はとてもへたくそでしたがこどもみたいにはしゃいでしまいました。セッションでもたくさんの人に出会いました。みんな親切です
まだ1週間くらいしかたってないですが出会った人、今から出会う人がニューヨークにきてよかったなあと思う大切な宝物になりそうです。

◆飲茶

NYでご活躍されているすばらしいミュージシャン達でのランチ会に参加させていただきました。チャイナタウンで飲茶です
毎日お茶漬けやパスタ、うどんでごはんをすませてしまっているので今日はごちそうです
色々な種類の飲茶がいっぱい運ばれてきます。すごい勢いです。とてもおいしくて(特にえびシュウマイ)とてもたのしかったです
おなかいっぱいになったところでお茶をしにCafeにいきました
「たろいも?」といううまれてはじめての味のジュースを飲みました。タピオカが入っているしあまくておいしかったです。
夜はNB Loungeにたいらまみこさん(vo)と海野雅威さん(p)のDuoを聴きにいきました。もうすばらしいライブでした
私もこんな風に演奏できたらたのしいだろうなあって思いました
素晴らしいピアノばかり毎日聴いていると本当に自分の足りないものを思い知らされます
うれしいです。ライブがおわってからはCreopatraにセッションにいきました。

◆巻貝の中

Solomon R. Guggenheim Museumにいってきました。この美術館は近代建築の三大巨匠の一人Frank Lloyd Wrightによる設計です
私は絵画をみたくてこの美術館を訪れたのですがこの螺旋状の建物を歩いているうち
たくさんの設計図や模型をみているうちに建築のことにすごく興味がわきました
この美術館は近代建築ということですが建築にも歴史があって今があるんだろうなあと今更ながらふと思って
今までたくさんの「教会」「お城」などを訪れたのに何も知らないままだったことをもったいないことしたなあと思いました
美術館の中はくるくるだし設計図を見ているととんでもない数字がとびかっていて本当にくるくるめがまわりました
絵画もたくさん名画がありました。いつまででもいたい気分でした。Vasily Kandinskyの色にうっとりしました。

◆音のすごさ

昨日はSmokeにRodney Green Quartet今日はSmallsにBrian Lynch Groupを聴きに行ってきました
Brian Lynch Groupは大好きなVincent Herringを聴きにいったのですがVincentだけではなくGroup全員がすばらしくてぶっとびました
Vincentは音が出た瞬間からすごい息で太いのびやかな音でした。
こんな風に演奏する人ははじめてみたしCDではまさかこんな風にふいているとは気づかなかったです
そしてBrian Lynchの音。圧巻でした。とってもうたっていてバラードでもない勢いのある曲でおもわず泣き出してしまいました
それに演奏だけではなくてBrian Lynchの楽器の構え方や表情、ハットをかぶって無邪気に笑うその人の雰囲気がとても「いかして」いました
古い言葉ですがこの言葉がぴったりです。今週末はNichoras Payton、Tom Harellとライブが続きます
こんな調子ではこころがつぶれるんじゃないかと心配です。

◆週末の夜

George Coleman Quintet、Nicholas Payton Group、A tribute to Horace Silverというライブでこの週末を過ごしました
George Coleman Quintetではいよいよ楽しみにしていたHarold Mabernです。彼は怪物です。すごすぎてなんといっていいかわかりません
ピアノが床にめりこんでいるんじゃないかという重みでした。すごい演奏を聴いてしまいました。
Nicholas Payton,私はトランペットが大好きで今いる数多くのトランペッターの中でも彼が大好きです
渡米前から生で聴けるのが一番うれしいというくらい楽しみにしていたのですが、
このバンドでは今までのスタイルとは全然違うスタイルで演奏をしていてびっくりしました
そしてA tribute to Horace SilverはTom Harrell,Randy Brecker,Eric AlexanderにMichael Weaa,John Webber,Willie Jonesのリズムセクションで超豪華でした
Tom Harrellの音がすっごくあたたかくて深くてなんともいえない幸福感が胸いっぱいに広がりました。

◆Barry Harris Workshop

月曜日の夜はSmallsにThe Neal Miner TrioとThe Ari Hoenig Groupを聴きに行ってきました
Neal Miner trioのピアノはMike Kananです。とてもシンプルで美しいピアノでした。Ari Hoenig Groupは全員の息がぴったりでした
いろんなリズムがからみあっていてスリリングだけど安心して聴ける楽しさがありました
火曜日の夜はBarry Harrisのworkshopに参加してきました。コードプログレッションのクラスはディミニッシュコードなどについてのレッスンでした
インプロビゼーションのクラスはBarry Harrisのうたうフレーズを一緒に歌いながら曲をつくっていきます
理論に基づいた説明などはいっさいないですがフレージングについては大変参考になりました
Barry Harrisが誰に対しても一生懸命で体当たりな教え方をしているのが印象的でした。

◆赤いバラを

Woodlawn Cemetaryへ行ってきました。ここにはDuke Ellington,Miles Davis,Irving Berlinのお墓があります
すごく広いお墓で森の中にいるようでした
途中「りす」や「あひる」に出くわしました。この日は曇り空だったのでひんやりして森の中を歩くのに気持ちよかったです
Duke Ellingtonのお墓はおおきな木が植えられていてDuke Ellingtonの偉大な存在を象徴していました。少し話しかけたけどきこえたかなあ
すぐ隣にはMiles Davisのお墓があってここにも大きな木が植えられています
MIlesの「死んだらEllingtonの隣に眠りたい」という願いを思ってしんみりしました
帰り道名残惜しくなって振り返るとEllingtonとMilesの木が寄り添って立っていてそよそよとゆれていました。
なんだか泣けました。

◆Free

水曜日の夜はRon Miles QuartetのJason Moranを聴きにいきました。すごい存在感でした
今まで聴いた誰とも違うピアノですっかり圧倒されました
そして実は木曜日は別のライブに行く予定だったのですが
Jason Moranとお話させてもらった時に「お気に入りのRecord」を教えてもらったところ「Cecil Taylor」の名前も出てきていたので
予定を調整してBlue NoteにCecil Taylorを聴きにいってきました
Cecil Taylorはなんと80才です。1ステージ1曲のFreeという集中力はすさまじいものでした
実のところをいうと私はCecil Taylorをあまり聴いたことがなくてFreeについてもよくわかりません
これを機会にfreeについていろんなミュージシャンを聴こうと思っています
そういえばDuke Ellington,OscarPeterson,BillEvans、、などのインタビューを集めた[Jazz Hot」という本があります(すごくおもしろいです)
そこに何人かのミュージシャンが「Free」というスタイルについて語っています。
もちろんそれはあくまでも彼らが生きていた時のものですのでその時代での意見だと解釈しています
そして私はいまのところBill Evansの当時語っていたようなことを思っています。

◆はやい

想像以上のはやさで時間が流れていきます
週末はSteve Turre Group@Jazz Standard、Bill Charlap Trio@Dizzys、Al Foster Quartet@Village Vanguard に行ってきました
Steve Turre Groupはどうしてももう一度Xavier Davisを聴きたくていってきました。TrumpetにChristian Scott、SaxがRon Blakeです
それぞれのミュージシャンがすごいのですっごく楽しみnいったのですが期待をはるかにこえた楽しいライブでした
そしてやっぱり強力なインパクトだったのは"Al Foster"です
もう、無邪気に遊んでいるかのようにドラムをたたくのですがとてもcreativeなドラムで言葉では表現できないすごさがありました
目がきらきらしていて昔話などたくさんしゃべってくれてとってもキュートで温かい人です
NYに来てミュージシャンだけではなく本当にたくさんの人に出会いました
たぶん自分自身が求めているからだと感じました。なんで日本にいる時はできなかったんだろうって思います
帰ってもこの気持ちを忘れないようにしたいです。

◆Gallery

Gagosian GalleryにPicassoのExhibition"Mosqueteros"にいってきました。晩年1968年頃の油絵と版画でした
油絵は1×1.5mくらいのおおきなものばかりで1つのExhibitionで一人の美術家のこんなに大きな油絵をたくさん見たのは初めてです
時代背景は版画を中心に「性」を象徴したものが多かったですが彼自身「やっと子供らしい絵がかけるようになった」といっていた時代の作品です
GalleryのExabitionはどこで何をやっているのか情報収集が大変なのですが今回はJazzClubで知り合ったおじさんが教えてくれました
そんな風に出会いがあって、また、Picassoのみたことのない作品にもであうことができました。

◆Broadway

Majestic Theatreにミュージカル「オペラ座の怪人」をみにいってきました
それぞれのシーンで衣装がかわいくておもしろいしびっくりしてしまう演出があったりでまばたきをわすれそうでした
そして音楽です
「オペラ座の怪人」は音楽の専門学校に入学してすぐのコンサートで演奏したのですごく思い入れのある曲です
学校に入るまでは言われるままに課題をこなしていましたけどこの曲は初めて自分の意思で一生懸命取り組んだ楽曲です
メロディーが泣きそうなくらい美しくて当時から大好きです。

◆魔法の箱
ニューヨーク近代美術館MOMAをとっても気に入りました。魔法の箱だと思います
名画がたくさん立ち並び他にも建築、デザイン、ポスター、写真、映画などと興味深いものばかりです
気になる作家はLeon Ferrariです キリストを題材にした作品に関しては今のところ受け入れられませんが
他の作品は一目見た瞬間にこの人の世界にひきこまれました。
そしておもしろいアイデアをたくさんみてびっくりしたり、笑ってしまったり、感心したりで頭の中が大忙しでした
そして新館は建築家谷口吉生氏の設計とのことです。

◆雨にうたえば

雨です。風もつよくて傘が30秒に一回くらいのペースでひっくりかえりました。
なので、ほぼぬれてました。
今日はRiverside ChurchにいくまでにSt Paul礼拝堂にいってコロンビア大学の中を散策しました
雨の日の教会はまた違うおもむきがあってよかったです。
コロンビア大学も緑であふれていてお花についた雫がしたったり雨にぬれたりすがぶるっと体を震わせたり
真っ白な鳩がとことこ歩いていたり平和な光景でした。
そんな光景を楽しみながら散歩したのでみずたまりに10回くらいはまりました
あきらめがつくくらい靴の中が水だらけになったのはいつぶりかな。

◆Riverside Church

Jason Moran Solo Piano Concert

オーケストラが聴こえてくるようでした
ハーモニーの深さにせつなさを感じながらも
心にあたたかく響くそんな音の聖域で
とてつもなくSwingしていました

◆I love NY

NYも残すところ2週間をきりここにきてStaten Islandにむかうフェリーから自由の女神をみてきました
ぴっかり晴れている日に行きたかったのですが残念ながら曇りもようでした
ここ最近は天気がごきげんななめです
ちょっと冷たい風が吹く中フェリーがマンハッタン島を離れていく光景をみているとあと少しでこの島を出発するんだ思ってせつなかったです。

◆Gospel

Kelly Temple Churchの礼拝にGospelを聴きに行ってきました
Organ,Piano,Drumの伴奏でクワイヤーが歌います。ものすごいグルーブです
赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで、リズムにのってハンドクラップして一緒に歌うのですから
それはもう、自然に体にリズムが刻み込まれるわけだと思います
礼拝に訪れる人達は心から音楽を楽しんでいてそして神様とつながっているのです。

◆Piano Trio

Cyrus Chestnut Tro@Creole Larry Willis Trio@Smokeを聴いてきました
6月はピアノトリオがめじろおしです(Robert Glasper Trioがキャンセルになったことが心残りですが)
どちらのトリオも溢れんばかりのエネルギーで目の前まで迫ってくるような重圧感でした。ピアノを支配しているといわんばかりの演奏でした。

◆グループサウンド

IridiumにGeri Allen Quartetを聴きに行ってきました。Ravi Coltrane,Joe Sanders,Jeff Watts
初日と今日と2daysで聴きに行きました。初日の演奏はもちろんひとりひとりのプレイヤーがとんでもなくすごいのですが
まだグループとしてはまとまっていなかった部分もあったと思います。
そして今日の演奏、初日の演奏の何百倍の演奏でした
ひとりひとりの集中力が半端じゃなくメンバー全員の一体感といったらなかったです
特にgeri AllenとJeff Wattsのコンビネーションは素晴らしかったです
NYにきてもちろん消化しきれてないことだらけですが大きく学んだことはグループでのサウンドだと思います
このライブを2daysで聴きに行ったのは単純にGeri Allenがとても好きなのでいったのですがこの初日と最終日を聴けて本当によかったです
あと、Geri Allenの手はとっても小さかったです。 (自分の手が小さいというコンプレックスが恥ずかしくなりました)

◆Rose Theater

Jazz Forum 30Celebration
Brry Harris,Cedar Walton,Kenny Barron,Lou Donaldson,Joe Lovano,Jimmy Cobb...すごい人達が集結しました
中でも私はAl Fosterがどうしてももう一度みたかったのです
Joe Lovano,George Mraz,Al FosterのTrioでした
創造的で自由で、たくさんの素晴らしいピアニストがいましたがコードレスでなければいけない理由しかありませんでした
本当に言葉では語りきれない、ものすごい演奏でした
そして誰一人と裏切ってくれない楽しいライブになりました
豪華すぎてめまいがしました。

◆お散歩ごろろん

めまぐるしく時間がまわるマンハッタン
都会の真ん中の大きな公園Central Park
散歩しながら本当に心があらわれるようでした
風の音、水の音、小鳥の声、きれいなみどりいろの空間はほっとする場所です
みどりいろの上で寝転がって空をながめると雲がゆっくり動いているけれど時間がとまってるよう
読書しながらごろろんとしていたらいつのまにか寝ていました
小鳥の声でめがさめて本の続きをよみました。今、宮本輝の彗星物語を読んでいます。

◆あおのひかり

Cathedral of John the Divine
今日はもうすぐ夏が近いのか太陽がさんさんで少し歩いただけで汗が出てくるような暑さでした
それでも教会の中はひんやりと肌にふれる空気がやわらかでした
この空気までも神聖なんだと実感しました。そしてステンドグラスが美しすぎました
オルガンの音を聴きながら光を感じて大きな教会の中で、私はこんなにちっちゃいんだと思いました。

◆smalls

Tom Guarna(gt)Mark Turner(ts)Donald Vega(p)Josh Ginsburg(b)Billy Hurt(ds)
Patrick Cornelius(as)Gerald Clayton(p)Josh Ginsburg(b) Jochen Rueckert(ds)
Mark TurnerとGerald Claytonを聴きにいってきました
Mark Turnerの音はどこまでもまっすぐで深い音でとても神々しかったです
Gerald Claytonも素晴らしかったです。音がキリッとしていて強さと繊細な部分を感じる演奏でした
Donald Vega,Josh Ginsburgも全員かっこよかったです。

◆ブルックルンルン

East Riverをこえてブルックリンへ
NYでは2番目の規模をほこるブルックリン美術館
古代エジプト美術品が興味深かったです。古代の壁画が多数展示してあって見ても見ても全然あきなくて時間があっという間に過ぎてしまいました
Odilon Redonの絵にまた出会えたし、Edgar Degas,Camille Corotなどなど名画もたくさんありました
美術館の前で少しひなたぼっこをしてから帰りました。

◆Jazz Gallary

Marcus Strickland Trioを聴きにいってきました。音が出た瞬間鳥肌がたちました。かっこよすぎて心がどこかいっちゃいました
なんといってもベースのBen Williamsに心の底からしびれました。運よく今月下旬にもライブをみつけたのでもう一度聴きに行きます
そしてMyron Walden Groupも聴いてきました
このバンドもすごいです。Darren Barretの音がいろんなイロに満ちていて最初から最後まで興奮のあらしでした。

◆たくさんのビルの中に

St Patricks Cathedral、St Bartholomews Churchにいってきました
街の中に堂々と建っている教会は威風堂々と優しく街の中になじんでいました
St Patricsはゴシック様式でSt Bartholomewsはロマネスク様式とビザンチン様式の融合らしいです
教会は本当に聖なる場所です
たくさんの教会を訪れていますが少しずつ勉強をして今は心の底から敬意をはらって教会に入らせてもらっています。

◆夢

Dizzy'sにLewis Nash Quintetを聴きにいってきました
SaxにJimmy Greene、TrumpetにTerrl Staffordととても大好きな二人がフロントです
Lewis Nashのドラムは広いホールでしか聴いたことがなかったので間近で聴けるのをすごく楽しみにしていました
音がとても美しくてすごく楽しいライブでした。
JazzClubを出るとスモッグでマンハッタンの街が灰色に。
このNYでのすべてが夢だったらどうしようと少し心配してしまいました。

◆音、オト、音

Cafe LoupにJunior Mance 、Ruth'sに井上智さん
そしてCreopatra's Needleにセッションにいきました。セッションホストの百々徹さんをはじめ今日もすばらしいミュージシャンがたくさん来ていました
毎日毎日起きてから寝るまで生の音楽でいっぱいです。

◆にぎやかな土曜日

私のステイしているスパニッシュハーレムでプエルトリコのフェスティバルがありました
道が閉鎖されて通りがお祭り騒ぎです
ステージでサルサのバンドが大音量で演奏していてみんな歌ったり踊ったりおもいおもいです
この地域はプエルトリカンが多いらしく日常きこえてくる会話もほぼスペイン語です
毎週末は朝から音楽が流れていてみんな家でパーティをしています。音楽とダンスがあたりまえに生活の一部のようです
お昼過ぎからHell's Kichen Flea Marketにいってきました
骨董品やアンティークアクセサリーが豊富でみてるだけでうきうきしました。

◆不思議の国

Dizzy Gillespie all star BigBand、 A tribute to Freddie Hubbardを聴きにいってきました
BigBandではRoy HargroveをFreddie TributeではMulgrew Millrerを聴けるのが楽しみで今週のはじめからずっとわくわくしていました
Roy Hargroveは大きな蝶ネクタイをつけてBigBandをまとめていました
歌ったり踊ったりステージをお客さんと心から楽しんでいるようでした
音もまさにあのRoyの音ですごくかっこよかったです
そしてMulgrew Millerは興奮の連続で1秒も見逃したくないくらいの迫力で創造的で自由なソロでした
Iridiumの最寄り駅の地下鉄の壁画「不思議の国のアリス」がお気に入りです。

◆Smalls

幸運なことにNYにきてBrad Mehldauをもう一度聴けることができました
急遽Smallsでの出演が決まったのです 
Village VanguardでのライブはNYに到着してすぐのライブだったので予約の取り方などがわからずに良い席でみることができなかったのですが
今回はピアノの目の前に座ることができました
Trioではない演奏を聴けるのが楽しみでした Trioとはまた違う音で、でもBrad MehldauはBrad Mehldauの美しい音で絶大な存在感でした
終わってから少しお話ができました。とても優しい目をしていました。

◆空の下

Sarabeth's Cafe Central Parkを横にして空の下でランチ
ランチのあとはCentral ParkのSummer StageにEsperanza Spalding Bandを聴きに行きました
素敵な声にかっこいいベース、素晴らしい楽曲、それにとてもチャーミングで太陽の光の真下で暑さも忘れてすっかり彼女の魅力にひきこまれました。

◆絵の中へ

フリックコレクション   
中庭を囲むように部屋がつながっていて小さな宮殿のような美術館です
ゆっくり絵を見ながら歩いているとおもわぬところでおもわぬ画家の絵がひょいっとでてきて宝探しのようでした
そしてとびっきりの宝物をみつけました
Corotの"The lake”という絵です。

◆おおきすぎて

帰国日をひかえてFred Hersch/Nancy King、Ben Williams、Orrin Evansを聴きにいきました
Junior Mance/Hide Tanaka@Loup Cafeも毎週日曜日に行っていました
NYで出会うミュージシャンと音楽は大きすぎて大きすぎて大きすぎます。

◆最後のプレゼント

たくさんの素晴らしいミュージシャンや音楽に出会い毎日考えられないほどの衝撃に胸がつまる思いでした
すばらしい音楽を聴くと同時にその素晴らしさの秘密を知りたくて私はたくさんのミュージシャンにつたない英語で話しかけました
そしてこんな質問も。「あなたの音楽、ジャズ人生において一番重要なことは何でしたか?」
たくさんの偉大なミュージシャンが本当に親切にお話してくれました
私が将来同じ質問を自分になげかけるとしたら間違いなく「このNYでの日々」を思うでしょう
そして音楽だけではなくたくさんの友人もできてたくさんの人の笑顔に毎日幸せに過ごせました

最後にマンハッタンからプレゼントをもらいました
大きな花火がマンハッタンの夜空につぎつぎと打ち上がりました。